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父のもとへ

   弟が父のもとへ旅立っていった。

   病気とたたかい、苦しくても辛くてもいつも前を向いて生きていた文夫。

   兵庫医科大病院の通院が唯一外出のときとなり、

   ほんとうは苦しかったろうにぼくたちに気遣って明るくふるまっていた。

   もう声が聞けなくなった。

   さようなら。
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