住みつなぐ家

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   改修部分のほとんどの柱を抜き替えることになったこの住まい
   内装を取り払った軸組みは柱の基部がシロアリでやられていた。
   丸太の梁もボコボコの状態であわやというところだった。
   ほとんどの構造材が内装材でくるまれていたから、ダメージは分かりにくい。
   やはり日本の木造家屋は真壁とし、柱や梁を現わしたつくりがよい。
   木組を開放し露出させておけば、
   湿気がこもらないのでシロアリの被害を受けにくいし、もしかの時は発見が早い。
   あらためて、真壁づくりの家屋が、地域の気候風土に合っているのがわかる。

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   昭和8年に建ったこの住まいは80年近くの年月を住み人がつないできた。
   80歳にもう手が届こうという建て主は、親が建てた家を直すことを選択し、
   思わぬダメージに驚きながらも、生まれ育った思い出をなぞっているにちがいない。
   住まいはそこで生きた人々の想いを内在している。
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野菜たち

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   熟れ始めたトマトは葉の裏側で遠慮がちに初めて顔を出した。
   もぎたくなるのをがまんしてもう少し熟すのを待とう。
   直栽培の露地ものは、
   土臭くて、トマトが本来もっている青くささや酸味が混じった素朴な味がする。

   青じそは昨年の種が飛んでいるから時期がくると、
   そこここに芽を出して青い葉っぱをいっぱい付けてくれるので、
   惜しげなくどんどん摘み、てんぷらや薬味に大活躍する。

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   キュウリはカメムシがついて養分を奪われ、ちょっと元気がないが、
   なんとか持ちこたえてほしい。

   植えた当初のナスは成長が心配だったが、
   ここにきて勢いづいて実をたくさんつけ始めたのでもう安心だ。
   秋までがんばって美味しいナスビをたくさん成らせてくれるだろう。

   畑は夏野菜で賑やかだが、雑草の繁茂も半端ではない。
   しばらく草と格闘が続き、「雑」は野菜たちに比べると強い。

   

縁の下の力持

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   昭和8年建築の民家のリフォームが着工した。
   老朽化した水回りを全面的にやりかえる工事でシロアリの被害も著しい。
   これは工事対象部分の床組を撤去した跡で、残存部分の縁の下
   (床下のことを縁の下と言っている)を見たところ。

   数々の改修工事を経ながら踏ん張って立っている束が見える。
   柱も当時は基礎を回して土台を敷くということはしなかったから礎石に直に柱が立ち、
   柱は3寸5分、束には一回り小さな丸太が使われている。
   縁の下はこのように土間を掘り下げ、しゃがんで歩ける高さがある。
   昭和8年といえばまだ角材は貴重であった頃で、
   見え隠れ部には丸太材が多く使われている。

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   思いのほか蟻害がいちじるしくて、残す予定の柱はすべて抜き替えることになり、
   柱をすべて切断して、仮柱で屋根を支えた。
   その間にコンクリート土台を回して本柱の段取りに入る。
   手前の配筋はお風呂の部分で、長年親しんだ薪風呂を再現する予定だ。

   台所回りも昔は土間のおくどさんがあり、小屋裏はすすけた上具が現れた。
   昭和45年に座を上げて撤去前の状態に改築されたようだ。
   人が生きる歴史とともに住まいその時にあったかたちを求められ、
   想いの詰まったこの家がまた新たな歴史を刻むことを願っている。