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経てきた時間に無駄はない

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独立してからしばらくの間あるビルダーの設計の下受をやっていた。物件の割り当てがあると、施主と最初の打合せに始まり、数回やり取りしてプランをまとめて図面をつくり、確認申請認可までを仕上げて一件落着というながれだった。その間元請ビルダーのチェックも入る。月に3物件くらい回しており、当時の仕事はほとんどこれが全てだった。それまでは木造住宅の設計はほとんど手掛けておらず、架構の理解不足でよく直しが入っていた。意匠図に加えて軸組伏図まで作成していたから、平面と架構の関係性が理解できずに苦労したのを覚えている。いいトレーニングの時間であった。施主の意向を図面に落し架構を組み立てる作業を限られた時間内でやることで、いい意味で鍛えられた。今、もうそれはやっていないが、思えば実践的に木造を勉強させてもらった貴重な経験である。
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住まいを施主さんに引き渡すとき

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設計から完成まで2年近くかかり、工事が終わり施主さんに引き渡すときは心中複雑だ。やっと完成し入居してもらえる喜びと、もうこの現場との関わりが終わるという寂しさ。設計者の私が思うのだから、手塩にかけて造ってきた大工さんはきっと想像をはるかに超えるものがあるにちがいない。ここにモノを創る喜びの真髄がある。これから我々の手を離れて家が住まいとなっていく・・・。家族の新な暮らしがここから始まるのだ。「家づくりは暮らしづくり」また創る喜びを味わわせていただいた。施主様はじめ工務店の人たち、この工事に関わってくれたすべての人たちに感謝したい。

基礎補強のすぐれモノ

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FRPグリッド基礎補強工法といいます。この設計施工技術講習会に参加しました。樹脂製のグリッドマットを基礎の側面に貼り込み、上からポリマーセメントを塗るというもので、住宅の耐震改修で使用します。当選ながら玉石基礎には使えませんが、布基礎の補強方法としては極めてすぐれいるようです。家は基礎がいちばん、いくら上部を固めてみても基礎が脆弱だとその効果はおぼつきません。

20年近くになると

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いよいよキッチンのガスコンロが限界にきている。

炎が安定せずナベの底にススがつくんだ。

半年くらい前からなんとか持ちこたえていたがいよいよ換えどきのようだ。

出入りの業者さんにお願いする。

「IHですか?」

「いいえ、ガスで・・・」

自分の家だと、どうもIHにはふんぎれない。

電気は高いと思っているから、せめて煮炊きくらいは直火を使いたいと思うんだが・・・。

それに電気一辺倒だとリスクに弱い。

今は電気、ガス、灯油、薪、太陽熱の5種類を組み合わせている。

さて、コンロが新しくなったら料理が楽しくなる。

そう、いざとなったら薪でもごはんが焚ける!

杉の床板

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湿気の多い今日のような日は、

杉のムク板の快適さがよくわかります。

塗装もなにもしていない、

素の板の上を素足で歩いてもまったくべたつき感がありません。

厚さは30mm。

となりの合板のフローリングはべたべたして気持がわるい。

今はこのような新建材は使いませんが、当時は知識がなかった・・・

新築・リフォームを問わず、床には杉のムク板がお勧めです。

見た目にキレイとか、キズがつかないとかよりも、

触れて心地よいという触覚の方が住まいの建材には大切。

それに湿気を吸って部屋をドライにしてくれます。

かがわヒノキのながれをつくろう

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 12月10日(木)木と家の会展示住宅にて、県産材普及意見交換会(仮称)が開かれた。

 森林組合、木材流通関係、木と家の会住まいづくりグループ、

 行政が一同に会しての開催。

 地元の木を使って家をつくる、このシンプルなことに今はエネルギーが要る。

 外国産材に依存する家づくりはよくないと考えているから地域材(国産材)にこだわる。

 このながれがスタンダードになることが願いだ。

陰影礼賛

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   近代和風建築総合調査で2回目に訪れた「飛谷家住宅」。

   1回目の時は、つくりやディティールに目がいくが、

   2回目になると建物がもつ全体の空気のようなものがみえてくる。

   北と南の引き戸を開け放つと、

   一見無造作に見える庭木のみどりが光を受けて室内へと導かれる。

   セピア色に染まった家屋は年月を経て風格が漂い、

   個々の素材が補いあって調和の世界へと昇華しているようだ。

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   主がかわいがっている「モモちゃん」、カメラを向けるとポーズをとってくれた。
   

優良材をつくる

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   豊田林業

   豊田さんの森林は財田川の源流域右岸、阿讃山脈県境に広がります。

   森林(やま)の取材も西讃岐地域に入りました。

   先代が昭和21年より本格的に造林をはじめて、豊田さんは2代目となります。

   優良材生産を目的にやまづくりをしているヒノキ林に入ると、

   3番玉までゆうに枝打ちされたヒノキが見事に育っています。

   張りめぐらされた作業道からは間伐材をすべて搬出して、

   材を生かすべく土場に集積されていました。

   材を生かしきるのが豊田さんの森づくりです。

   下層植生が育ち、こ漏れ日の入る林内に入り深呼吸。

   身体の底から英気がよみがえります。

   豊田さん、

   スラリとした体躯はしなやかで、ことばの一つ一つがそまびとの気鋭に満ちていました。
  

新旧一体

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   小屋組みを現わした造作が進みます。
   煤けた松丸太を受ける桧のタイコ梁が意外にマッチします。
   たぶんこれは素材の持つ力でしょう。
   天井は勾配なりに杉板を張っていきます。
   半割丸太の垂木のため地が通らず、大工さんは苦労しています。

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   当初の予定より工期が延びましたが、
   リフォーム工事は開けてみないとわからないところがあり、涼しくなるころには
   完成予定です。
   


充填断熱材

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   K邸のリフォームで使っている充填断熱材の「パーフェクトバリヤー」。
   ペットボトルをリサイクルしてつくられる断熱材です。
   耐力壁は面材で対応しています。

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   この断熱材はエンドレスでリサイクルできるのが特徴。
   ペットボトルは石油からつくられますが、それをリサイクルすることで、
   資源循環が生まれます。