経てきた時間に無駄はない

独立してからしばらくの間あるビルダーの設計の下受をやっていた。物件の割り当てがあると、施主と最初の打合せに始まり、数回やり取りしてプランをまとめて図面をつくり、確認申請認可までを仕上げて一件落着というながれだった。その間元請ビルダーのチェックも入る。月に3物件くらい回しており、当時の仕事はほとんどこれが全てだった。それまでは木造住宅の設計はほとんど手掛けておらず、架構の理解不足でよく直しが入っていた。意匠図に加えて軸組伏図まで作成していたから、平面と架構の関係性が理解できずに苦労したのを覚えている。いいトレーニングの時間であった。施主の意向を図面に落し架構を組み立てる作業を限られた時間内でやることで、いい意味で鍛えられた。今、もうそれはやっていないが、思えば実践的に木造を勉強させてもらった貴重な経験である。
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