基礎補強のすぐれモノ
20年近くになると
杉の床板
かがわヒノキのながれをつくろう
陰影礼賛

近代和風建築総合調査で2回目に訪れた「飛谷家住宅」。
1回目の時は、つくりやディティールに目がいくが、
2回目になると建物がもつ全体の空気のようなものがみえてくる。
北と南の引き戸を開け放つと、
一見無造作に見える庭木のみどりが光を受けて室内へと導かれる。
セピア色に染まった家屋は年月を経て風格が漂い、
個々の素材が補いあって調和の世界へと昇華しているようだ。

主がかわいがっている「モモちゃん」、カメラを向けるとポーズをとってくれた。
優良材をつくる

豊田林業、
豊田さんの森林は財田川の源流域右岸、阿讃山脈県境に広がります。
森林(やま)の取材も西讃岐地域に入りました。
先代が昭和21年より本格的に造林をはじめて、豊田さんは2代目となります。
優良材生産を目的にやまづくりをしているヒノキ林に入ると、
3番玉までゆうに枝打ちされたヒノキが見事に育っています。
張りめぐらされた作業道からは間伐材をすべて搬出して、
材を生かすべく土場に集積されていました。
材を生かしきるのが豊田さんの森づくりです。
下層植生が育ち、こ漏れ日の入る林内に入り深呼吸。
身体の底から英気がよみがえります。
豊田さん、
スラリとした体躯はしなやかで、ことばの一つ一つがそまびとの気鋭に満ちていました。
新旧一体
充填断熱材

K邸のリフォームで使っている充填断熱材の「パーフェクトバリヤー」。
ペットボトルをリサイクルしてつくられる断熱材です。
耐力壁は面材で対応しています。

この断熱材はエンドレスでリサイクルできるのが特徴。
ペットボトルは石油からつくられますが、それをリサイクルすることで、
資源循環が生まれます。
7年かけて家づくり

木と家の会では、
住まい手に向けた「かがわ型住宅」の手引き書づくりに取り組んでいます。
山の取材も3日目に入りました。
今回訪ねたのは、香川西部森林組合です。
三角組合長と三野課長にお話を伺いました。
三角さん、7年かけてご自分の山から伐り出した木を使い
家を建てられたそうです。
「山が好き、木が好きでたまらない」穏やかな語り口からは、
山に対する想い、またこれからの林業に対する強い意欲を感じました。
林業をとりまく状況は厳しいですが、
お二人にお話を伺っている中で、
育っている桧、森林施業の展望に光明を見出しつつあるようです。
地元の木を使った家をつくるには、
香川においても川上と川下の関係の再構築にあると思います。